学校一のモテ男といきなり同居
手足は完全に冷え切っていて、体を触ると、



井上くんは、そのままぐったりと外壁にしなだれかかった。



「井上くん、井上くん!?」



ゆさゆさと体を揺らすけれど、一向に目覚める気配がない。



「あたしが責めたから……罪滅ぼしに、ここで一晩明かそうと思ったの!?

そんなことしたって、許さないんだから。バカ……なんでこんなこと……」



ギュッとしがみつくと、体は温かかった。



生きてる……!



よかった!!



最近で、これほど嬉しかったことはないってぐらい、感激した。



「救急車……そうだよ、え……と」



あたしがスマホを手に番号を押していると、


横からスマホを奪われた。







…あれっ!?


スマホを手に、目を瞬かせているのは井上くん。


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