学校一のモテ男といきなり同居
「ねぇ……契約しようか。あたしは絶対に井上くんに言わないから。

……その代わり、しばらくあたしの彼氏のフリをしてほしいの」



「……は?」



ミキオくんはこの契約の意味がわからず、間の抜けた声を出した。



「昨日、井上くん信じてたよ?ミキオくんがあたしを好きなんだって」



「やっぱ、バレてなかったってことか……しまった」



ミキオくんはチッと舌打ちをする。



「ミキオくんだって、この計画がウマくいかなかったら白雪さんに怒られるんじゃないの?」



「そうだけど……。アンタにメリットある?」



「うん。井上くんがウチに住んでる間は、白雪さんに騙されてるフリをする。じゃなきゃ、あたしまた狙われちゃう……」



そしたらミキオくんは深く頷いている。



「そうだな。白雪姫は、今まで郁実先輩にしつこく付きまとう女を、ことごとく地獄に突き落としてきたからな」



白雪姫っていうよりも、魔女だよね。



内心そうは思うけど、ここは黙っていよう。



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