学校一のモテ男といきなり同居
「コッソリ見たから内緒だけど、2次審査の合格通知がウチに届いてたの。

すごいよね~、アイドル事務所に入るのかな」



「マズいな……」



てっきり喜ぶかと思えば、ミキオくんは顔をしかめている。



「どういうこと?」



「郁実先輩がバンドやってるの知ってる?」



「うん、この前教えてもらった」



「アイドル事務所の方は、寮生活なんだよな。もしそっちに行くってことは、バンドは捨てるってことだよな……」



「そうなの?」



「そうだろ!オーディションは個人のことだしな。郁実先輩が欠けたら、バンドのメンバー悲しがるだろうな……」



「井上くんの人生だもん。好きにさせてあげたら?」



シレッと言うと、胸ぐらを掴まれた。



「お前には人情ってモンがないのかよ!?郁実先輩だって、冗談で受けたって言ってたし、きっとその話は蹴るはず」



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