学校一のモテ男といきなり同居
「ちょっと、待って!」


自転車を家の敷地内に入れ、急いで井上くんを追いかける。


お母さんがいるからか、玄関のカギは開いていたみたいで、勝手にリビングまで入ってしまっていた。


「こんちは~、初めまして。井上郁実です」


しかもなぜだかお母さんに挨拶までしてる始末。


なんなの!?


まさか、「俺たち付き合ってるんです。彼氏としてご挨拶にきました」とかって、


お母さんまで騙しちゃうの!?





「やめてーっ、やめて、やめて!違うのっ、お母さん!あたしたち、付き合ってないっ!!

こんなヤツ、あたしの彼氏じゃないからーっ!!」


井上くんとお母さんとの間に入りこむ。


必死で弁解するあたしを見て、なぜだかふたりは絶句していた。


これじゃまるで、あたしがおかしい子みたいだし!

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