学校一のモテ男といきなり同居
「帰ってくるの、早かったね……」



遅くなるっていうから、あと2時間は戻らないのかと思った。




「おー、真央が心配になって。生徒手帳の件もあるし、今みたく怯えてたらかわいそーだと思ってさ」



井上くんはあたしに軽くウインクすると、あたしの手を引っ張って立たせてくれた。




「そ……うだったんだ、ありがと……」



まだ、心臓がバクバク鳴っている。



とりあえず、なんでもなくてよかった。



「なんてな。実は、風邪ぎみでさー。今週末オーディションがあるんだよな、本番で失敗したくないし、今日は早く帰ってきた」



なんだ、そうなんだ。



「風邪、大丈夫?オーディションって……」



もしかして、あたしが見たアイドル事務所のオーディションかな。



次は、3次審査に行くってことだよね?



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