学校一のモテ男といきなり同居
「歌って」



「……は?」



井上くんはあたしの突然のお願いに、ギョッとしている。




「聞いてみたい!ウマいんでしょ?」




「いや~、そう言われてもな。つか、風邪ぎみだっつってるだろ。もっと気遣えよ」



井上くんはニッと笑うと、キッチンへ移動してお湯を沸かしている。









「あ~、喉痛ぇ。やばいなぁ、マジで声でなくなるかも」



それは大変!



ぜひともオーディションに受かって、さっさとこの家を出ていってもらわなきゃなのに。



「井上くん、ホットレモン飲む?はちみつレモンにしてあげるね!」



ゲンキンなあたしは、笑顔でドリンクの準備を始めた。



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