学校一のモテ男といきなり同居
やだなぁ…またネコか。


「ネコちゃーん、もうあたしを怖がらせないでねー」


カーテンを開けて、窓を閉めたまま外を覗くと。


青いウインドブレーカーを着たおじさんが、窓の向こうに立っていた。


…え。


「真央ちゃん、会いに来たよ」


髭ヅラで、ニーッと笑うおじさん。


だ…誰っ!?


っていうか、思いっきり不審者!!


「きっ…キャーーーッ!!」


走って部屋の中に逃げる。







それと同時に、お風呂から飛んできた井上くんと鉢合わせした。


急いで来たのか、井上くんは髪も濡れたままだし、下にパンツを履いているだけ。


いつもなら叫んでるところだけど、今は気が動転していて、そんなこと全く気にならなかった。


「真央っ!!どうした!?」


「へっ…変なおじさんがっ!!外に…」


「またかよ…」


「今度はホントだもんっ!!髭の……あたっ、あ…あたしに、会いに来たって…」


ガタガタと震えるあたしを、なだめるように背中を数回撫でたあと、


「ちょっと待ってろよ」


って言って、井上くんはあたしのそばを離れた。


< 266 / 978 >

この作品をシェア

pagetop