学校一のモテ男といきなり同居
そんなのあたしだって、やばいってば。


こんなに密着されたら…困るし!


井上くんがなんだかいつもと違うことはわかるんだけど、この状態を早くなんとかしたい。


「井上くん!?」


軽く体を押し返す。


すると、頭を抱えてうずくまってしまった。


「あ~、やべぇ。頭が痛ぇ…」


頭なんだ!?


てっきり、あたしにくっついたことかと思ったじゃん。

 
「井上くん、早く部屋に行こう?」


「んー……」


わかってるのかわかってないのか。


井上くんは、ただ首を横にフルフルと振っている。


だけど手を差し伸べたら、すぐに手を取り立ちあがった。


素直に手を引かれて、2階までついてくる。


……これはなんというか、あたしこそ…やばい。


熱の行動のせいで、なんだか井上くんがかわいく見える。


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