学校一のモテ男といきなり同居
はぁっ……。



まだ、ドキドキしてる。



あたしの体に絡みついた井上くんの手足を、ゆっくりと体から剥がす。



動かしたら起きてしまうんじゃないかと思ったけど、今のところ大丈夫。



目の前に井上くんの寝顔が見える。



長いマツゲに、微かに開いた唇。



キレイな寝顔は、もう熱にうなされているようには見えない。



額に手をあてると、まだ熱いけどさっきほどではなくなっていた。



……少し、熱が下がったのかな。



時計を見ると、7時40分だった。









……やばっ!!


あたし、学校に行く準備してない。


いつもは8時ちょうどに出れば間に合うんだけど、パニックになっている間に、こんな時間になってしまっていた。


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