学校一のモテ男といきなり同居
「郁実くーん、開けるわね。真央、知らない?」


――ガチャッ。


扉が開くのと同時に、布団を頭から被された。


……えっ!?





「郁実くん、もしかしてまだ調子が悪いの!?」


「ゲホッ、ゲホッ…はい、また風邪がぶり返したみたいで」


「大変じゃないっ、すぐに薬を持ってくるわね」


危機一髪!


お母さんにはバレずにすんだけど、井上くんはいつから起きてたの!?


「いーっす。今、真央ちゃんが薬買いに行ってくれてるんで」


「まぁっ、真央が?」


「昨日も、ずっと俺についててくれて…。もぉ、ホレちゃいそーです」


な…な…な…っ!!


あんたのそれは、


どこまでが本気で、どこまでがウソなわけ!?


ホント、信用のならないヤツっ。


布団の中でモゾモゾと動いてみると、


井上くんが布団の上からぎゅうぎゅうと、あたしの頭を押さえつけてきた。


うぐっ…くっ、苦しいっ!


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