学校一のモテ男といきなり同居
そしてニヤニヤしている井上くんが横たわるベッドから、慌てておりた。



「誰がベッドに引きずりこんだと思ってるのよ!!」



「お前が自分から入って来たんだろ?」



「あたしが入るわけないでしょー!」



「ってことは、俺?」



キョトンとしているところを見ると、ホントに覚えてないらしい。



都合のいいヤツめ。










「そうだよ。寒いとかって、あたしを抱きしめて……」



「え~、マジで?ラッキ~。でも覚えてないから、もったいないな」



そう言って、ヘラッと笑っている。



「ところで熱は!?さっき、ホントに変だったから。やべぇやべぇとか何度も口走ったり、頭が痛いとかって言って」



「なんか、そんなこと言ったような気もする。今もボーッとしてる。まだ、立てないかも」



今度は涙目で、あたしを見つめてくる。



井上くんって、得な人だよね。



こうやって見てると、なんだか憎めない。


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