学校一のモテ男といきなり同居
「もうっ……いいよ。薬持ってくるから、大人しく寝てなさい!」



「は~い」



ニコッと笑っている井上くんを置いて、部屋を出た。



1階はもう静かになっていて、お母さんは外に出てミキオくんも帰ったみたいだった。



あたしは制服と通学カバンを自分の部屋に置きに行ったあと、



風邪薬を持って、また井上くんの部屋に向かった。







井上くんはベッドに横になったまま、あたしを待っていた。



「あ~、喉が痛ぇ……」



「そういえば、今週オーディションがあるって言ってたよね。大丈夫?」



「わかんね……」



井上くんは喉に手をあてて、ケホケホとやっている。



「病院に行く?」



「嫌だ、病院嫌い」



「は?なに子供みたいなこと言ってるの?」



「嫌なもんは嫌なんだよ。俺は、行かないっ」



そう言って、布団にもぐってしまう。


< 284 / 978 >

この作品をシェア

pagetop