学校一のモテ男といきなり同居
それ、困るから!


オーディションにでもとりあえず受かって、さっさとこの家を出ていってもらわなきゃなのに。



「絶対に、連れて行く!病院に行って、早く治そうよ」



「大丈夫だって、このぐらい平気。真央が側にいてくれたら、すぐ治る」



「なに調子のいいこと言ってるのよ!そんなので治ったら、医者いらないから」



「マジだって」



井上くんは、とびっきりの笑顔をあたしに向けてくる。



もっ……もうっ!



そんな笑顔を見せても、ダメなものはダメなんだから!



あたしだって、引けない。






「大切な話なんでしょ?井上くんが、将来スーパースターになれるかどうか、今週末にかかってるんだよ?」



「俺のチャンスは、ひとつだけじゃないはず。もし今回がムリでも、いつかきっと……」



「ウザいぐらい、プラス思考だよね」



「その言い方、気に障るな」



井上くんはあたしを軽くニラむと、ぴょこんとベッドの上に起き上がる。


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