学校一のモテ男といきなり同居
だから、放っておけない
ガタガタと震える、唇。


顔をしかめ、起きてしまったことを後悔する。


硬直したあたしの体は、抵抗すらできないでいた。


…それなのに、


ミキオくんの腕は、一向に振り下ろされてこない。







…あれ、どうしたんだろう。


そっと目を開けると、そこには、


引きつった顔をしたミキオくんがいた。


手を振り上げたまま……ミキオくんは、ある一点を見つめて、固まっていた。


その視線の先をたどると…。







「お前ら、うっせーわ」


そう言いながら、笑っている井上くんが、


リビングの入り口のところに立っていた。


あたしはもちろん、一番驚いているのはミキオくん。


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