学校一のモテ男といきなり同居
「ううっ…ゲホッ」


強烈な痛みに耐えかねるように、ミキオくんはうずくまってせきこんでいる。


唸るだけで、声も出せないみたい。


井上くんは無表情で、なにを考えているのか全く読みとれない。


そんな井上くんが、動けず床に横たわるミキオくんの側に座りこんだ。






「ミキオ~、お前死にたい?俺、言ったよな。真央は、他の女と違うって」


井上くんの言葉の意味がわからないけど、あたしをかばってくれてることには、違いないよね。


あたしはこの状況に困惑しながらも、唇を噛みしめ、ふたりのやり取りを見守る。


ミキオくんは痛みに耐え、ただ唸っているだけだった。


「それにコイツ強がってるけど、実は繊細だから。

俺らの周りにいるよーな女とは、違うの。わかってる?」


あたしのこと…そんな風に思ってくれてたの?


そのことに、ドキドキしてきた。


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