学校一のモテ男といきなり同居
しばらくして動けるようになったのか、ミキオくんがその場に土下座をした。


「すんません!!許してくださいっ。お願いだから、殴らないでっ」


それを見て、井上くんは呆れた視線を向けた。


「盛ってんじゃねーぞ、ヤりたいだけなら、他探せ」


「はいっ!」


ミキオくんは大慌てで、外へ飛びだしていった。







ミキオくんが出ていくのを見計らって、井上くんが玄関の鍵を閉める。


そして、そのまま2階へあがろうとしたから、思わず引きとめた。


「井上くんっ、ありがとう……」


「あー…別に」


なんてことない顔で見られて、ズキッと胸がいたんだ。


井上くんは、どこから話を聞いていたの?


あたしが井上くんを好きかもっていうところも、聞いてたのかな…。


ううん、この分だと…


ミキオくんがあたしを殴ろうとした瞬間しか、知らないのかもしれない。


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