学校一のモテ男といきなり同居
あたしのこと、妹みたいだって言ってたくせに。


それなのに、こんな状況になったら、


口説こうとするんだ?


やっぱりあたしは、


井上くんの中の、その他大勢から、抜けれてないのかもしれない。







そう思ったら、


なんだかすごく悲しくなってきた。


「うっ……」


泣くつもりなんてなかったのに、


自然と溢れだす涙。


こんなところ、井上くんに見られたくない…。


仰向けになったまま、腕で顔を隠して涙がひっこむまで耐えようとしたんだけど、


その行為は、井上くんの手によって、


いとも簡単に、阻止されてしまった。


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