学校一のモテ男といきなり同居
「普段、強気なくせに…」


ボソッと井上くんが呟く。


口説き文句がくると思ってたけど、


そうじゃなくて、またいつもみたいに悪態をついてくるの?


一瞬構えていると、


井上くんが、掴んでいるあたしの手に、キュッと力を入れた。


ドキッ!





「お前のそういう、壊れそうなところ見てるとさ…放っておけないんだよ」


「え……」


意外すぎる発言に、思わず言葉が漏れた。


「こんなの……初めてだ。

誰かを守りたいとか、もっと相手のことを知りたいとか。

そんな風に思うのって」


……目を開けると、


切なそうな瞳に、見つめられていた。


……ドキドキが、止まらない……。




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