学校一のモテ男といきなり同居
「ウソだよ……そんなの。井上くんは、誰にも本気にならないんでしょっ……。

その気にさせて、あたしもすぐフられるんだ」



こんな言い方、あたしも好きだって言ってるようなもの。



だけどもう、自分の気持ちを隠せそうになかった。



「そんな風に言うなよ……俺だって、人を好きになることぐらいあるから」



もう一度、井上くんに視線を合わせると、



優しい目をしている井上くんに、そっと髪を撫でられた。



髪の毛に神経があるみたいに、触れられる度にドキドキして、



切なさとトキメきで、胸がキュンとする。







一度は目を合わせたけど、恥ずかしさから井上くんから視線を外し、また横を向く。



「真央……こっち向け」



顎を軽く掴まれて、井上くんの方を向かされた。



「……やだっ」



「人が真剣に話してんのに、そういう態度ってなくね?こっち向けよ」



井上くんの真剣な声と表情に、ドキッとした。



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