学校一のモテ男といきなり同居
「ハッ……迷惑だよな、こんなこと言われても。

らしくねー……俺って、重いな」



やりきれないといった表情で、井上くんは上を向いて、



ガシガシと頭をかく。



その、いつもと違うその調子に、



少し心うたれた。








「あたし、妹じゃないから……」



「……え?」



「井上くんは、あたしのこと……妹みたいって言ったよね。それなのに、こういう雰囲気になったら口説くの?

なんか、誰にでも言ってる気がして、信じる自信がないの……」


ホントは、井上くんに素直に甘えられればいいのに、それができない。


だけど、あたしも少し……歩み寄りたい。


井上くんのチャラさを知っているだけに、やっぱりなにか決定的な言葉がないと、不安なんだ。



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