学校一のモテ男といきなり同居
「せんぱ~い。それ、俺のなんスけど」



……いっ、井上くんっ!?



いつの間にか現れた井上くんが、ヤンキーの腕を掴んでいた。



「テメー、ケンカ売ってんのか!?つか、その手を離せ!!」



ヤンキーは思いっきり井上くんの腕を振り払い、ニラみつけた。



それに対して井上くんは、なんだか余裕の笑みを浮かべている。



井上くんに、また助けられた……。



だけど、さっきあんなことがあったあとで、今は井上くんには助けられたくないよ!



あたしが井上くんから目を逸らすと、もう一度井上くんの声が聞こえた。








「聞こえてねーなら、もう一度言おうか?そいつ、俺のだから」



「はぁ?誰に向かって口きいてんだよ!!」



ヤンキーが井上くんに向かってパンチしようとすると、井上くんはそれをヒラリとよけた。



……おぉっ、反射神経いいんだ!?



てっきり殴られるかと思っちゃった……。



井上くんはムカつくけど、やっぱり殴られなくてよかったと思ってしまう。



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