学校一のモテ男といきなり同居
成り行きを見守っているのはあたしだけじゃなくて、ちょうどここにいた生徒数人も見ているだけでなにもできなかった。



ヤンキーが怖いのもあるし、井上くんが怯えてないせいでもあるんだけど……。



「よけやがったな……お前、どうなるかわかってんだろーな」



ヤンキーがイラついている様子が手にとるようにわかる。



それなのに、相変わらず井上くんは笑っていた。



その表情が、更にヤンキーを煽る。



「ナメてんのか!!」



また殴りかかろうとしたけど、井上くんはそれを避けて、



さらにヤンキーの背中を押して、床に這いつくばらせ、腕を後ろ手にひねりあげた。



「うおーーーっ!!」



痛がるヤンキーの上に、大したこともないような顔をして股がった。



びっくり!



井上くんが、ヤンキーに勝ってる……。







「先輩が、学校一強そうってのは知ってる。だけど、見た目と力関係は一致しないって……知ってた?」



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