学校一のモテ男といきなり同居
井上くんがズボンを脱ごうとしたそのとき、


あたしはやっと、我にかえった。


とっ、止めなきゃ!!


「なっ、なにしてるの!?」


「真央と同じように、俺も恥かこうかと」


井上くんはそう言うけど、女子の視線は井上くんに釘付け。


恥かくどころか、みんな期待してるんじゃないの!?


コイツのこういう無防備な姿は、家で何度も見たけど、


それを他の子が見るなんて、ちょっと嫌かも…。


そういう風に思っている自分に、ちょっと驚いた。








「みんなの目が腐るよ!」


「…はあ?」


「とととと、とにかくっ!こっちに来て!!」


床に落ちたシャツを拾い、大慌てで井上くんを上の階の空き教室へと引っ張って行った。








「…ふぅっ!こんなことするの、やめてよね!」


「だってなー、真央がー」


「もうっ、いいから。許すから……こーいうことは、やめて。
それに、早くシャツを着てよっ」


「へーい」


井上くんはニッと笑うと、元通りに服を着た。


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