学校一のモテ男といきなり同居
「ホント、バカなんだから」


「真央が怒ってるからだろー」


「怒るに決まってるでしょ!?」


「ごめーん」


井上くんってば、謝り方も軽い。


だけどそのおかげで、あたしにも笑みが漏れた。


「もうっ…いいよ」


「ありがと。優しいな、真央は」


チュッ。








…ん。



「ええええっ!!アンタ、今、あたしに何したのっ!?」


微かに感じた、頬への感触。


それは…。


「俺のだっていう、確認」


「確認!?なんでキスするの!?」


「本来なら、キスマークつけたいところだけど…嫌だろ?」


ニヤリと笑う井上くんの腕を、バシッとたたいた。


「さっ、最低!!」


「真央のことかわいーって言ってるヤツ、学校にめちゃくちゃいるから。

その度に俺は妬くのかよー…あー、切ない」



大して切なくなさそうな顔で、ニヤニヤしながら言ってるから、冗談にしか聞こえない。


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