学校一のモテ男といきなり同居
「よくそんなデタラメが、スラスラ口から出てくるよね……」



ホント、呆れる。



「デタラメって!真央に目ぇつけてるヤツ、今まで何人か聞いたことある。

でもさー清楚すぎて近寄り難いっていうか……俺らみたくチャラいヤツからしたら、別世界の子って感じで」



「あっ……あたしが清楚!?またそんな冗談言って」



「マジだって。だから、俺色に染めたくなる……」


トクンッ。


あたしの心臓が、大きく跳ねた。


さっきまでヘラヘラと笑っていた井上くんが、急に大人びた表情であたしを見つめる。







……や、やばい。


こんなふたりっきりの教室で、どうしたらいいのかわからなくなってきた。


ひとりで緊張していたら、井上くんは側にあった机の上に、軽く腰かけた。


「先、戻れば?」



「……え?」



「一緒に出たら、白雪に見られるかもだし……」


「って、今さらじゃない!?さっき、みんなの前で『俺のモノ』とか、そーいう発言してたよね……」


あたしも今思いだしたけど、そういえばそうだった。


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