学校一のモテ男といきなり同居
しかも、男子がいるときはいつも、キャピキャピ話している姿はどこへ?


女だけだと、違うんだね……。


話し方も、すっかり男言葉になってるし。


ビクビクしながらも、なんだか冷静にそんなことを思っているあたし。


休み時間だし、誰かトイレに入って来ないかな……。


いつもあたしを助けてくれる井上くんも、


さすがに女子トイレには現れないよね。


今までは偶然が続いたけど、今度ばかりは、このピンチを自分で切り抜けるしかない。






ここは、話し合いで……。



「みんな、落ち着いて!?あたしは井上くんに家から出ていって欲しいって思ってるし、あっちだってあたしなんて女として見れないって断言してたよ?」



それは、ちょっと前までの事実……だけどね。



「しらばっくれんな!昨日のこともミキオから全部聞いてるし、

郁実くんのあんたへの構い方は、異常なんだよ!!今までこんなこと、1回もなかったから」



「そ、それは……一緒に住んでるから、情がうつったっていうか……ただ、それだけで」



「そこが問題なんだろ!?かわい子ぶって、弱い女を演じて?あ~、うっとうし~い!」



「きゃっ!!」



ギャルに顔を打たれそうになったから、あたしはとっさに手で顔を覆った。


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