学校一のモテ男といきなり同居
緊張しながらも、そっと郁実の体を抱きしめる。



「もっとだって……ホラ、思いっきりギューってしろよ」



わぁ……。



そんな言い方されたら、ホントにキュンキュンしちゃう。



てっきり郁実からグイグイくるんだと思ってたら、まさかのあたしから。



思い切って、ギュっとしてみた。



郁実の体温が、シャツ越しに伝わってくる。









「郁実も、ドキドキ……してるの?」



当然、冷静なんだと思っていた郁実の鼓動が、手に取るようにわかる。



あたしに負けないぐらい、郁実もかなり緊張してるってこと……?



「たりめーじゃん。この緊張感、たまんね~」



ククッと笑った郁実が、顔を上に向けて空を仰ぐ。



「郁実は、こんなの慣れてると思ってた……」



今まで彼女がいっぱいいて、何人もの女子をこうやって抱きしめてきたんだよね。



だからこんなの、郁実にしたら、なんてことない行為なんだって思ってた。



でも、違うってこと?



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