学校一のモテ男といきなり同居
しばらく待つけど、郁実が階段を上ってくる音がしない。



……あれっ、まだ1階にいるの?



いつもなら、まっすぐ自分の部屋に来るのに。



不思議に思って、すぐに1階に下りた。



リビングから、男の人の大きな笑い声が聞こえてきた。







……そうだ、お客さんが来てるって言ってたっけ。



開いた扉の隙間から、リビングをそっとのぞいてみると……。



「私も頑固ですが、コイツもなかなか…。一緒に来る気がないみたいなんで、迎えに来たんですよ」



そう言って、背が高くて端正な顔つきの40代ぐらいの男の人が、郁実の肩を叩いていた。



えっ……まさか、郁実のお父さん!?



ウソっ、わざわざ迎えに来たの!?



郁実は、なんだか不服そうな顔つきで、ただ下を向いている。


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