学校一のモテ男といきなり同居
「もっとよく考えるんだ。郁実が、このまま私と一緒に海外についてくれば、数年後には確実に日本に戻ってくる。

そのときはある程度進路も決まってるだろうし、大学だってこの近くの学校を受験すればいい」



「…………」



「芸能界に入れば忙しいだろうし、生活する時間も違ってくる。付き合っていくことが、だんだん難しくなっていくだろうな」



おじさんの言葉で、だんだん不安が募っていく。











郁実が浮気するとか、あたしから心変わりするとかより前に、



ふたりで一緒に過ごせる時間が、ないんだ。



それでもあたしたちは、大丈夫……って言えるほど、



あたしと郁実の間には、



強い絆がない。



あたしはいつの間にか、



不安な気持ちでいっぱいになってしまった。




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