学校一のモテ男といきなり同居
「お待たせして、すみません~。どこかにやってしまったみたいで、ちらしがなくて……」



お母さんがパタパタとスリッパの音をたてて戻ってくる。



「いえ、そのその必要はなくなりました」



「はて。それはどういう意味でしょう…」



おじさんの言葉に、お母さんはキョトンとしている。



「そろそろ出なくては。私はこれで失礼します」



おじさんはお母さんに挨拶をしたあと、あたしに目配せをした。



慌ててお辞儀をして、あたしは部屋に戻った。









どうしよう……。



郁実をオーディションに行かせないためには、どうすればいい?



なにか、いい方法はあるのかな……。



部屋に戻る前に、郁実の部屋を覗いてみた。



……あれっ、いない。



どこに行ったの?



気付かなかったけど、いつの間にか外に出て行ったのかな。



自分の部屋に戻って、唖然とした。



……あたしのベッドで、寝てるし。



また部屋間を違えたの!?



ほんっとにもう……。


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