学校一のモテ男といきなり同居
「そっか。ならいーけどな。

ハア~、もうすぐオーディションか……緊張する……」



なにを思ったか、郁実が突然あたしの手を握ってきた。



「きゃっ!!いきなり、なに!?」



「なに?って、恋人同士のスキンシップだろ。真央は、俺が手ぇつなぐだけで怒るんだなー。傷つくわー」



「おっ……怒ってないよ……ちょっと、驚いただけでしょ!?」



心臓がバクバクいってる。



……こういうのは、ホントに緊張するから。



やめて欲しい。










「ん……そっか。とりあえず、真央のエネルギーを、俺にください……んんんっ」



「なんか前にもそーいうこと言ってたよね!?あげないからー!」



郁実は冗談半分であたしの手を力強く握りしめる。



避けたりしてじゃれてるうちに、郁実があたしをベッドに押し倒した。



「キャハハッ!やだー、もう。フざけないで!」



笑っているあたしの顔の横に手をついて、あたしを見下ろしている郁実。



その顔は……もう、笑っていなかった。


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