学校一のモテ男といきなり同居
無表情というわけではなくて、真剣な顔……っていうのかな。



なにか、言いたげな口もとが、ゆっくりと動く。













「早く、俺のモノになれよ……」



は……はあ!?



「どういう意味!?」



「言葉のまんま。色々と不安だから。身近なところから、不安要素を消していきたいわけ」



「い……いやいや。まんまって言われても……ねえ?」



さっきのおじさんの言葉が頭をかすめる。



そんな、あたしが郁実と!?



キスだってまだまともにしてないのに!



「やっぱり……口約束だけじゃ、不安。真央をホントに、俺のモノにしたい……」



ビクッ。



優しく髪を撫でられて、一気に全身が熱くなった。



「すみません……エロくしか、聞こえないんですけど」



こんなときでさえ、おちゃらけた風に言ってしまう。



ああああぁぁ……あたしってば、ムードもなにもない女だね。



照れ隠しで、やっぱりフざけちゃう。



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