学校一のモテ男といきなり同居
『郁実はいつも、その場限りだ』



……こういうことなんだ。



今が一番楽しければ、それでいい?



こういう性格って、心配だよね。



郁実がアーティストになれたとき、やっぱりあたしはすぐに忘れられてしまうのかも……。



そんなの、嫌だよ……。









「行くんだ?」



「おう。スタジオで特別レッスンしたあと、すぐに帰るみたいだしな」



「じゃなくて……今、あたしと……その……シたいって……言ってたよ、ね……」



恥ずかしくて、声も小さく、言葉も途切れ途切れになる。



そんなあたしの反応を見て、郁実はニッコリと笑った。



「だって、ダメなんだろ?」



諦めるの、早くないっ!?



っていうか、電話の直前まで説得してたくせに!



「…………」



あたしが黙ってたら、郁実が近寄ってきた。



あ……だからって、シたいとかそういう意味じゃないんだけど……。



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