学校一のモテ男といきなり同居
急いで家を出て、駅に向かう。



……あ、どうしよう。



制服忘れた。



泊まるってことは、明日は友ちゃんちから学校に行くことになるわけで。



制服がいるよね、あと学校に行くバッグもいる。



また家に引きかえして、玄関にカギを差し込んだとき。



「重たそうだね、持とうか?」



1泊の荷物を詰めたバッグを背負っていた肩が、一気に軽くなった。



「あ……ありがとうござ……」



思わずそう言いかけたけど。



誰っ!?






バッとうしろを振りむくと、背後に髭面のおじさんが立っていた。



「きっ……」



叫ぼうとしたけど、恐怖で喉が詰まってしまって声が出ない。



この間ウチに現れた、ストーカーだ!!



「そんなに怯えた顔しなくても大丈夫だよ?僕は真央ちゃんの味方だから。ウフフフ…」



「ひっ……」



逃げたいけど、ダメ。



完全に、腰が抜けてしまった。



あたしはその場にへたりこんだ。


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