学校一のモテ男といきなり同居
「さあ、立って」



ストーカーがあたしの腕を強く掴み、体を引きずろうとしてくる。




「やめて……」



「怖がらなくて、いいよ。僕はとっても優しいんだから」



「嫌……」



首を横に振ると、満足そうに笑っている。



「真央ちゃんは、どんな顔をしてもかわいいね。ほら、立ちあがってよ」



グッと腕を引っ張られるけど、しゃがんだままなんとか抵抗を続ける。



そのうちストーカーが、あたしに顔を寄せてきた。



ジャリっとした髭が、頬をかすめる。



嫌……絶対に、嫌っ!!



「い……く……」



「そうだよね、僕と一緒に行こうよ」



違うよ……。



あたしが言いたいのは、そうじゃない。











「……い……いく…、み。郁実っ……郁実ーーーーーっ!!」



ストーカーの鼓膜が破れるほどの大声で、必死で叫んだ。



あたしの声とその大きさにビビったストーカーが、一瞬怯んだその隙に、あたしは道路へ走りだした。



さっきまで動くことすらできなかったけど、必死だから猛スピードでダッシュ。



あたしは近くの公園に、逃げこんだ。



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