学校一のモテ男といきなり同居
あっ…!


声をかけようとしたら、慌ててケータイを落としてしまった。


その間にも、郁実は公園を駆け抜けていった。



落としたはずみに電話が切れてしまったみたいで、走りながらもう一度かけ直した。



ケータイを片手に、急いで郁実を追いかける。






トゥルル、


トゥルルル…。


あれっ、出ない。


家まで戻る間にストーカーに会ったら怖いけど、家に戻れば郁実がいるはず。


そうは思うけど、辺りが静まりかえっているだけに、


足音を響かせれば、ストーカーにいつ見つかるのかわからない。


周りを注意深く確認しながら、できるだけ靴の音をたてないようにして、家まで急いだ。


家の前まで後少し…


っていうところで、あたしの足が止まった。


…ウソ。


どうして、あんなところにいるの!?


ストーカーが、ニヤニヤと笑いながら家のすぐ脇にある電柱に立っている。


逃げようとしたけど、どうやらあたしの存在には気付いていないみたいだった。


というのも…。


「真央ちゃん、どこに行ったのかなあ。僕に会うのがそんなに恥ずかしいの?」


なんて、独り言を言っているのが、聞こえてくる。


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