学校一のモテ男といきなり同居
郁実に気づかれないように、そっとお風呂場の前の廊下に座りこむ。



怖かったんだから……ホントに、怖かったんだよ?



だから、郁実とギュッてしたいの……。



いっぱい、抱きしめて欲しい。



郁実の腕に抱きしめられたいよ……。












……なんて、



今のあたしたちの状態で、言えるわけもなく。



あたし、自分勝手だ。



郁実のこと、全然責められないよ。



あたしだって、郁実にあんな言い方しておきながら、もう仲直りしたいって思ってる。



楽しいことを優先したい気持ちは、誰にだってあることなのに。



郁実は、今日だってきっと早く帰って来てくれたはず。



そこを認めずに、行ったことだけを責めるなんて……



ホントに、ヒドいことを言っちゃった。



郁実が出かけたときはお母さんだっていたし、



いなかったら、郁実は家にいてくれたかもしれない。



それなのに……



あたしって、ホントに嫌なヤツだよね。



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