学校一のモテ男といきなり同居
「汚いわけねーじゃん……なに言ってんだよ。バカだな……」



郁実が、両手であたしを支えるようにしてしゃがみこむ。



「だって……」



「俺が……一生かけて、今日の出来事を、忘れさせるから。それじゃ、ダメか?」



なに言ってんのか、意味がわかんない。



「一生なんて、ムリだし。郁実は、ずっとあたしの側にいないくせに……。

そんないい加減な約束、しないでよ」



期待させられると、辛くなる。



それがただ、あたしを慰める言葉なんだとしても。








「だよな。俺、いつも口ばっかだしな。……だから、時間をかけて証明してみせる」



「…………」



「これからの、俺を見て」



そんな言い方されたら、ドキドキするんだけど。



ホントに?



ホントにそう、思ってる……?



ジッと郁実を見つめていると、ハニかんだ笑顔を見せる。



「さっきお前に言われた言葉、キツかった。確かに俺は、いつも楽しいことに流されてる気がする。

だけどこれからは、いつも真央を優先するから……これでいい?」



そして、いつものようにかわいく笑う。



小首なんて傾げられてしまったら、



もう、あたしは完全にノックアウトだ。



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