学校一のモテ男といきなり同居
からかわれるかな?って思ったけど、郁実は軽く目を伏せた。



そして、あたしが入れるように掛布団を上げて、隙間を作ってくれる。



「いーよ」



なんだかシンプルすぎて、逆に入りづらい。



いつもの郁実なら、



「俺と寝たいわけ?お前って、エロいな~」



とかって言ってきそうなものなのに。



「……からかわないの?」



「えー、だってな。俺も、そうしたいって思ってたから……だけど、嫌がられるかなって思って、言いだせなかった」



なんだか照れくさそうに言う郁実に、キュンとした。



郁実も、そう思っててくれたんだ……。



嬉しいな。











「……変なこと、しないでね?」



布団に入りながら、恥ずかしさから、逆にからかってしまう。



郁実は横たわった体勢で片肘をついて、ジッとあたしを見つめる。



「えー、そんなのムリだろ」



なんて言って笑う。



「ええっ!?」



慌てたあたしがベッドから出ようとしたら、ギュッと抱きしめられた。



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