学校一のモテ男といきなり同居
そのとき、あたしのケータイが鳴った。



出ないままで郁実にしがみついていると、郁実がボソッと呟いた。



「……出れば?」



「ううん……」



首を振るけど、強引に体を引き離され、しまいにはケータイを郁実に奪われてしまった。



画面を確認して、軽く舌打ちしている。



仏頂面のまま、ケータイを突き出された。



舌打ちまでされちゃった……。



落ち込んだまま、ケータイを受けとると、画面には“ミキオくん”の名前が。








もしかしてあたしに対してじゃなく、相手がミキオくんだったから舌打ちしたの!?



こうやって渡すってことは、出ろってことだよね。



とりあえず、電話に出ることにした。



「はい……」



もしかして、テレビを見て電話してきたのかな。



きっと、郁実のことを聞きたいとか、そんなことだよね。



そう、思っていたら……。



「郁実は!?そこにいるんでしょ!!すぐに代わりなさいよ」



ミキオくんとは違う、女の子の甲高い声が聞こえてくる。



このキツイ話し方って、もしかして……。



< 494 / 978 >

この作品をシェア

pagetop