学校一のモテ男といきなり同居
「真央…お前、やっぱいいヤツだな。そうだな、諦めたらそこで終わりだよな」


「そうだよ…郁実、流されないで？自分の決めたことを、ちゃんと貫き通して」



「うん。真央がそう言ってくれたら、やれる気がしてきた」



「現実的になれって怒られるかもしれないけど、叶えたい夢があるって……。

郁実が想像している未来を、おじさんにきちんと話してみて？」



「う……ん」



郁実は難しい顔をして、俯いてしまった。




「面と向かって、将来について真剣に相談したことがある？」



「いや…ないな」



「おじさんは、親だから……郁実の将来のことをちゃんと考えてるんだと思う。だけど郁実に必要なのは、学歴とか、そういうことじゃないもんね。

自分らしくいられる場所が、一番欲しいんだよね」



「……よく、わかってんじゃん」



「転校してばっかりで、辛かったこと。今の生活が、今までで一番自分らしくて楽しいってこと、ちゃんと伝えなきゃ」



「そんなガキみたいなこと、言えるわけねーじゃん」



ギョッとしている郁実の顔を、あたしはそっと覗きこんだ。










「いいじゃない。あたしたち、まだ子供だもん。泣きたいときは思いっきり泣いて、甘えて…。

そういうのが、まだ許される年齢じゃないかな」



「俺が親父に泣きつく？ありえねー……」



なんだか元気がない感じで、郁実は視線を床に落とす。


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