学校一のモテ男といきなり同居
学園長が難しい顔をして、あたしたちを見比べる。



うっ……絶対、怒られるんだ。



一緒に住んでたことを学校側に話してないって、大問題だよね。



あたしがビクビクしていると、学園長から見えない位置で郁実が手を握ってきた。



きゃっ。



ドキッとしたけど、ギューッと力強く握られると、安心感が増していく。



あたしをチラッと見たあと、落ち着いた声で郁実が学園長に話しかける。



「なにか処分を受けるなら……俺だけにしてください」



え!?










「郁実っ、なに言ってるの?それなら、あたしだって」



訴えるけど、郁実がズイッと前に出る。



「コイツには、なんの責任もないんです。俺が無理やり転がりこんで、勝手に居候して」



「違います!うちの家族全員が、井上くんを歓迎してました。認めてたあたしも、同罪です」



「うるせーな、横から口出すなよ。全部、俺が悪いんだって!」



「なんでよ!郁実はひとつも悪くないんだから。

オープンにするって言われたのに、黙っててっ言ったのはあたしだから、あたしが悪いんです!」



「ったく、余計なこと……」



郁実が顔をしかめて、あたしから手を離した瞬間、



学園長が、ゴホン!と大きな咳払いをした。



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