学校一のモテ男といきなり同居
「付き合ってもないのに、横取りって…変だよ。それに、郁実はこの先も絶対に白雪さんを好きにならないから」



言い返したことで、逆上したギャルが立ち上がって向かってきた。



「なにっ!?」



「きゃっ……」



ギャルの手が上にあがったから、とっさに腕で顔をかばう。












だけど、手は振りおろされてこなかった。



「やめて……これ以上かばわれたら、あたし……惨めになる」



ギャルを止めていたのは、



まさかの白雪さんだった。



「白雪……さ……ん?」



驚いているあたしの目の前で、白雪さんが泣いている。



「三沢さんに暴力ふるっても、郁実はあたしを好きにならない……さっき、体育館での郁実を見て…わかった」



体育館で?



郁実がなにか言ったの?



黙って聞いていると、白雪さんが悲しそうに顔を歪めた。



そして切なそうな瞳に涙を浮かべ、ジッとあたしを見つめてくる。



「郁実は……三沢さんのことが、ホントに好きなんだね。感謝状をもらったあと、事件について話したでしょ?」



「実は、学園長に呼ばれてたから……見れなかったの」



「えっ、そうなんだ?」



白雪さんは目を見開いて驚いた顔をしたあと、ギャルと顔を見合わせる。



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