学校一のモテ男といきなり同居
郁実があたしの頭を抱えるように、ギューってする。



安心感に、包まれる。



不安な気持ちも、いつの間にか和らいで、ただ郁実の胸に体を預けていると……。



「真央……俺、今が一番幸せ。もうすぐ夢も叶いそうだし、親父とも明日和解できそうだしな。

こんなときに、真央が側にいてくれてマジで嬉しい」



そんな風に言われて、また罪悪感が芽生える。



「うん…」



明日、おじさんは郁実になんて言うんだろう。



きっと、退学届を出したことは…言うよね。



そのあとあたしは、どうフォローすればいい?



やっぱりそれまでに、打診しておいた方がいいのかな…。









「聞いてる?」



郁実の声で、我に返った。



「きっ、聞いてる。あたしも、郁実の側にいられて嬉しいな…」



顔から火が出そうなセリフを言ったあと、熱い顔を見られるのが嫌で、再び郁実の胸に顔を埋める。



だけどすぐに郁実が、顔を覗きこんできた。



「顔、見せて……ハハ、真っ赤」



「笑わないで…」



恥ずかしすぎて顔を背けると、無防備になった耳もとに郁実が顔を寄せてきた。



「赤くなってる真央、かわいい。やっぱ、俺の彼女が世界一」



ひゃっ!



耳たぶすれすれに近づいて囁かれたらもう、あたしの頭は真っ白に。



思わず目をつぶり、顔を手で覆った。



郁実の甘い言葉が恥ずかしすぎて、耐えられない!



こういうの慣れないから、どうしたらいいのかわからないよ。



「ヤダ、全然かわいくないし…」



心臓はバックバク!



これ以上言われたら、心臓が壊れちゃう。



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