学校一のモテ男といきなり同居
世界に、ふたりだけならいいのに。



誰にも邪魔されないで、ずっと一緒にいるの。




そんなバカな考えに支配されるほど、郁実とのキスに没頭。




何度も繰り返すキスに、頭がしびれそうになる。




あたしが、あたしじゃないみたい…。




郁実の胸にあてていた手を、背中にまわす。




ときおり漏れる、郁実の息遣いに鼓動が高鳴る。




ここが昼休みの屋上だってことを、すっかり忘れていたあたしの耳に、



休み時間の終わりを告げる、チャイムの音が聞こえてきた。










ふたりとも、一気に現実に引きもどされる。



「あー…もう、行かなきゃな」



余韻もなにもなく、あたしに背を向けるように、あっさりと離れる郁実。



ちょっと寂しいけど、ドキドキの方が勝ってる。



はあ……



終わった……。



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