学校一のモテ男といきなり同居
「いいね~。真央の中で俺のポイントアップした?」



おどけたように言うから、それがなかったらって思っちゃう。



「もうっ、せっかく感激してたのに!こういうときぐらい、真面目になろうよ…郁実はすぐにフざけるんだから」



「照れんだよ。お前だって、すぐムカつく言い方してくるだろー。あれも照れてるって、知ってるから。お互い様」



わっ…あたしのこと、よくわかってる。



さっきの『落とさないでよ』も、郁実はあたしの照れ隠しだって、気づいてたのかも。



素直になれないあたしを認めてくれている郁実のことが、



今、もっともっと好きになった。



嬉しくて、郁実の背中に体を預けたままクスリと笑う。








「背中に息吹きかけんなよ、感じるから」



「……ええっ!?笑っただけだし!」



「笑ってたのかー、そっか。見えねーからな。早く家帰って、真央の顔が見たい!チャリ通学って損だな」



「……そうでもないよ。普段はこんな風にくっつくことないし、あたしは…好き、だな」



あああぁ……。



今日のあたしは絶対おかしい。



自分で言って、顔から火がでそう!



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