学校一のモテ男といきなり同居
「うん、俺も。真央が、好きだよ」


わぁー…。


自転車通学が好きって言ったのに、あたしのことが好きって言われちゃったよ。



ますます恥ずかしくなって、体がポカポカしてくる。



「……あちぃ。真央が素直だと嬉しーけど、マジ照れる。俺、今顔真っ赤~」



「えっ、そーなの!?」



「おう!でも見せてやんねー」



見っ…見たい!



郁実の顔が赤くなることなんて、滅多にないよね?



「見せ……きゃあああっ!!」



顔を覗きこもうと体を傾けたら、自転車が急カーブを猛スピードで曲がった。








「ばっ…ばかっ!!落ちるでしょ」



びびっ…びっくりしたー!



とっさに郁実の体にしがみついたけど、ホントに落ちるかと思った。



「落ちてねーじゃん。アハハハ」



からかうように、笑う声が聞こえる。



「むっ…ムカつく」



「怒んなよ。なんだよこのくだらない感じ。ホント、最高だよお前」



「褒めてるの?けなしてるの!?」



「どっちも。しっかりつかまってろよー」



嬉しそうに語尾を軽くあげると、勢いよく下り坂へ突入。



「きゃあああっ」



いつもならゆっくりブレーキをかけて進むところなのに、



まるで、ジェットコースター。



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