学校一のモテ男といきなり同居
とりあえずさっきの、“あたしを食べたい”が、冗談であってくれてよかった。



ホッとしながら、オムライスを作るために、冷蔵庫から出した卵を割ってお箸で混ぜ始める。



もう一度ケータイを見ると、メールの一番最後にこんなことが書いてあった。











【このサイトは、友達の好きな人や、ラブラブ度を知ることができるよ!みんなも色んな人に送って、友達の秘密を知っちゃおー♪】



えっ……。



もしかして、さっきの内容が…白雪ちゃんに知られたってこと!?



なに、これ……悪趣味。



気分を害したけど、このぐらいで怒るってあたしがおかしいのかな。



そう……だよね、白雪ちゃんはノリで送っただけなのかも。



モヤモヤしながらも、とりあえず手は動かしてオムライスを作り続ける。



「熱ッ!!」



考え事をしていたら、フライパンのフチに手首があたった。



「おいっ、大丈夫!?」



すぐに郁実が飛んできて、あたしの様子をうかがう。



「だっ……大丈夫。ちょっと、火傷しただけ」



「見せろって、あーもぉ赤くなってんじゃん。冷やさないと」



強引に水道へ連れて行かれるけど、そこまでしなくても大丈夫だよ。



「平気だってば」



「ダメ。女の子だろ?傷になったらどーすんだよ」



郁実は眉を寄せると、あたしの腕を流水にさらす。



「……冷たいっ」



「熱い、冷たいってうるさいヤツだなー」



口は悪いけど、流れる水の下で痛む箇所を擦る手つきは優しい。



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