学校一のモテ男といきなり同居
「なんでダメなんだよ……俺ら、付き合ってるんだろ?」



「いい……いやっ、そーだけど。だけど、あわあわ……だからって、あっ……あの」



ダメっていうか……嫌っていうわけでもないんだけど、



そういうことしたことないから、わかんないっていうか。



普通はここで、かわいく、「うん」って頷くものなの?



わかんない……。



大好きな郁実なのに、そういう行為は怖い……っていうのが、正直な気持ち。



あたしの知らない郁実を見ているような気がして、なんだか落ち着かない。



無意識のうちに手が震えていたみたいで、郁実があたしの手をギュッと強めに握った。










「ゴメンな……ストレート過ぎたよな」



郁実は申し訳なさそうに、軽く俯く。



「そ…そうじゃないよ…」



「俺、全然ダメだな。真央を怖がらせないようにって思ってたのに、逆のことしてる。昨日の今日で、急ぎすぎだよな」



「そんなことない……」



「無理すんなって。無理強いしても、意味ないし……頭冷やしてくる。ちょっと、部屋に戻るな」



「ごっ、ご飯はどうするの!?」



「ん……今、そーいう気分じゃないな。あとで適当に食う」



そう言い残すと、郁実は2階へあがっていった。



そ……



そーなんだ……。



なんだか一気に力が抜けて、あたしはその場にへたりこんだ。



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