学校一のモテ男といきなり同居
「もしかして、寝てた!?」



あたしを気遣う言葉に、なんだか和む。



「ううん、起きてたよー。どうしたの?こんな時間に」



「それが、パパとケンカしちゃって。ヒドいの、殴られたの……」



「ええっ!?大丈夫?」



ニセ占いの結果のことじゃなかったんだ?



しかも、殴られたってどうして……。








「郁実のオーディションのことで…顔が潰れるから、やっぱりもう1回連れて来いって言われてるの。明日が最後のチャンスなの!お願い、協力してくれない?」



「そ……そう言われても……」



白雪ちゃんが関わってるから行かないってメンバー全員が言ってるぐらいだから、あたしがどう言おうとムリだよね。



それに明日は、郁実はおじさんと話し合いをする予定だから、行けないはず。



「そうじゃなきゃ……あたし、また殴られる。嫌だよ……怖いよ…」



電話口ですすり泣く声が聞こえてくる。



なんとかしてあげたいけど、こればっかりは……。



困ったな。



胸が痛い……。



「それがね……実は、郁実のおじさんが……学校に勝手に退学届を出したみたいで……」



「……え。今、なんて言ったの?」



一瞬の間の後、まるで白雪ちゃんの声じゃないような低い声がした。



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